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日本ハム・斎藤佑樹、来季も現役続行 右肘PRP療法で再起へ 手術は回避 - スポニチアネックス Sponichi Annex

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日本ハム・斎藤佑
Photo By スポニチ

 日本ハムが、今季は右肘痛で10年目で初めて1軍登板なしに終わった斎藤佑樹投手(32)と来季も契約を結ぶことが9日、分かった。現役を続行する11年目の来季に向け、同投手は早ければ今月中に患部の「PRP(自己多血小板血しょう注入)療法」を受ける予定。手術よりもリハビリ期間が短い同療法で早期の実戦復帰を果たし、4年ぶりの白星を狙う。

 この日、1軍はZOZOマリンでのロッテ戦を終え、今季全日程が終了。斎藤について吉村浩GMは「もう話はしている。(右肘の)治療に関しては決まりました」とだけ語った。詳細を明かすことはなかったが、球団は11年目の来季も契約を結び、復帰に向け全面サポートする方針だ。

 斎藤は17年の勝利を最後に2年連続白星なしで迎えた今季も開幕は2軍。それでも下半身主導のフォームに取り組み、手応えも感じていた。だが夏場以降は右肘痛に苦しみ、10年目で初めて1軍登板がないままシーズンが終了。イースタン・リーグも19試合で1勝3敗、防御率9・31に終わった。周囲には「球団に申し訳ないし、他のチームのユニホームを着るイメージはない…」と語るなど、一時は引退の選択肢も含めて悩みに悩んだが「マウンドに上がって恩を返す」ことを第一の目標として再起の道を模索した。

 当初は復帰に1年以上の期間を要する「右肘じん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)」など大きな手術を受ける覚悟もあったが「これ以上、球団を待たせることはできない」との思いもあって回避。メスを入れずに短期間のリハビリで復帰が可能なPRP療法を選択した。過去に田中(ヤンキースからFA)、大谷(エンゼルス)らも受けている保存療法で、早ければ今月中にも受ける予定だ。

 同療法は約2カ月後には効果があったかどうかを検査で確認でき、来年1月中にスローイングを再開できる可能性もある。田中も大谷もオフに同療法を受け、シーズン中に早期復帰を果たした。斎藤はこれまでに「自分が引退した後は、治療したことや経験を、プロの後輩やアマチュア選手に伝えることも使命だと思う」と語っており、初体験の治療法にも前向きに取り組む姿勢を示しているという。

 06年夏の甲子園で早実のエースとして駒大苫小牧との引き分け再試合の熱戦を演じ、全国に感動を届けた斎藤。早大でも輝かしい成績を残したが、11年のプロ入りからは10年間で15勝と不完全燃焼が続く。あの頃の輝きを取り戻し、球団、そしてファンに恩を返す。

 ▽PRP(Platelet Rich Plasma=自己多血小板血しょう注入)療法 患部の血液を採取し、血小板を増やす培養を施したものを注射して自然治癒力を促進させる。皮膚のしわ、たるみなどを解消する形成外科の分野から発展した。大リーグではトミー・ジョン手術を受ける前にこの療法を選択するケースが多い。

 ◆斎藤 佑樹(さいとう・ゆうき)1988年(昭63)6月6日生まれ、群馬県出身の32歳。早実3年の06年夏の甲子園で優勝。早大では史上6人目の通算30勝&通算300奪三振を達成し、10年のドラフト1位で日本ハムに入団。11年4月17日のロッテ戦で初登板初先発初勝利をマークし、翌12年3月30日の西武戦では初の開幕投手を務め白星を挙げた。16年オフに背番号を18から1に変更。1メートル76、77キロ。右投げ右打ち。

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