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引退試合へリラックス「藤川球児で遊んであげて」 - ニッカンスポーツ

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阪神藤川球児投手(40)が10日、引退試合となる巨人戦(甲子園)で現役ラストマウンドに上がる。甲子園で全体練習に参加した右腕は終始リラックスムード。最後の火の玉ストレートを心待ちにする虎党を思い、「ファンの方の気持ちを大切にしながら、現役生活を終わりたい」と心境を明かした。プロ22年の集大成。魂を燃やし、興奮と感動の最終回を演じる。

   ◇   ◇   ◇

引退試合前日の藤川は、“変化球多投”で報道陣をかわした。今の心境は? 最後は直球勝負? キラーワードを導き出そうとする問いに対し、「どうなんですかね」「どうでしょう」と、笑顔でひらり。「みなさんの力で最後、野球選手の藤川球児で遊んであげてください」と終始リラックスムードだった。

だが現役ラストマウンドはやはり、代名詞の真っすぐ勝負が見込まれる。プロ22年の集大成。目に焼き付けるべく、ファンも最後の火の玉ストレートを待っている。神宮で行われた06年球宴。プレートを踏んでニヤリと笑い、西武カブレラに直球の握りを見せたシーンは多くの人の心を震わせた。バッテリーで苦楽をともにした矢野監督はこの日、日米245セーブを積み挙げた9回の登板を明言。「球児も、ストレートを目いっぱい投げていくと思う」。チームが勝って、なおかつ246セーブ締めなら最高の花道。指揮官も熱狂と感動が交錯する球児物語の最終回を想像し、興奮を隠せなかった。

向かう相手は、ラストを飾るにふさわしい王者巨人。入団時から特別にライバル意識を抱き、執念を燃やし続けてきた。「ジャイアンツさんも日本シリーズという勝負があって、今度はリーグの代表としてやってくれる。(日本シリーズは)勝ってほしいなと思っています」。ライバルへのエールも込め、最後の全力勝負を挑む。

甲子園での最終調整は、グラウンドの感触を確かめながら、キャッチボールなどで汗を流した。チームメートと自撮りで記念写真に納まるなど和やかムード。エドワーズとは、米大統領選の行方についても話をしたという。普段と変わらず、自然体で最後の準備を終えた。

「自分がどう思うというよりは、見ている方に何かを感じていただければと思っています。ファンの方の気持ちを大切にしながら、現役生活を終わりたいなと思いますね」

感謝を胸に、魂の1球を投げ込む。見納めとなる伝説の「火の玉ストレート」が、最後の炎を燃やす。【奥田隼人】

▽阪神金村投手コーチ(藤川と現役でも同僚)「5年間、一緒にやらせてもらいましたが、僕が教わることばかりで感謝しかない。頭の回転が早いというか、すごく賢いなと」

▽阪神岩崎(練習後、藤川と記念写真撮影)「目には焼き付けてきました。どういう思いになるかは明日(10日)にならないと分からないですが、最後まで一緒にいる時間を大切にしたい」

▽阪神岩貞(藤川引退試合登板に意欲)「開幕前から、フォームをいろいろ教えてもらっていた。0に抑えてつなぐ以外にない。1球目から投げられる状態で出て行きたい」

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