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性と暴力のエンタメ作家、回り道の人生 晩年かなえた志 - 朝日新聞デジタル

 「セックスとバイオレンスの作家」。3月3日に87歳で亡くなった勝目梓(かつめ・あずさ)さんは、そんな看板を長らく背負ってきた。「獣たちの熱い眠り」、「イヴたちの神話」など、残した小説は300冊を超え、官能小説家の系譜に位置づけられてきた。だが、かつて純文学を志し、芥川賞候補にまでなっていたことはあまり知られていない。晩年には、若き日の志を再び追いかけていた。

 勝目さんは1932年生まれ。両親の別居に伴い、幼い頃に東京から鹿児島に移った。高校を中退、17歳で長崎の炭坑に入り、落盤の危険と隣り合わせで石炭を掘った。文学に傾倒したのは結核で療養していた20代後半のころ。創作熱が高じて妻子を置いて上京、トラック運転手や広告プロダクションなど職を転々としながら同人誌「文芸首都」に参加した。

 同誌に掲載した「マイ・カアニヴァル」は1968年の芥川賞候補になった。1年後には文芸誌「文学界」に掲載された「花を掲げて」で直木賞の候補に。いずれも受賞は逃し、以降、候補にあがることはなかった。

 同人仲間だったのが、才気ほとばしる若き日の中上健次だった。さらに、知の巨峰のような森敦とも知己を得た。後年、自伝的作品「小説家」(2006年)で当時の交流を振り返り、自分には「物事を抽象化したり観念化したりするための思弁の能力が、ほとんど決定的に欠けていた」と痛切な思いをつづっている。

 偉大な才能に打ちのめされ、40歳で純文学と決別した。それは手痛い挫折だった。

 担当編集者だった成田守正さん…

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