経済活動の心理的な側面に注目する行動経済学で、「ナッジ」という概念は、人々の行動を促すちょっとした刺激のことを指す。コロナ禍の今、スーパーのレジ前に足跡のマークをつけると、それに沿って等間隔の行列ができる様子を思い出すと分かりやすい▼そのナッジを含めた行動経済学の知恵を医療分野に応用するための実験室が先日、島根大出雲キャンパスに開設された。医学と経済学を融合させた文理協同型研究施設としては、国内初という▼どんなことをするのか。「例えば、生活習慣病予防で減塩が高血圧に効果があることは分かっている。しかし、減塩を実行するのはなかなか難しい。そこでこの学問の力を借りて実際の行動に誘導していければ」。同大医学部の並河徹教授が説明してくれた▼研究室では、学内外の人を対象にパソコンなどを使って心理実験を行い、人々はどういう条件でどんな行動を取るかを観察してデータ化する。その結果を行政施策などに役立ててもらうのが狙い▼塩分の多い食生活を続けて脳卒中などで寝たきりとなるか、それとも塩分を控えて味気ない食事を我慢し健康を手に入れるか。今のおいしさと将来の健康を秤(はかり)に掛ける。先は分からないので今の快楽を選ぶ刹那(せつな)に誘惑されつつ、それでは人生の帳尻が損失超過になる。「損失回避」が行動経済学が描く平均的な人間像だが、ナッジがうまく導けるか。(前)
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August 20, 2020 at 10:07AM
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