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<環境視点> 子ども服のお下がりシェア人気 - 中日新聞

「KIDSROBE」の検索画面。多彩なサイズの子ども服がずらり

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 体の成長に合わせて、すぐに着られなくなる子ども服。少子化や核家族化が進む今、身近に譲れる人がおらず「結局、捨ててしまった」という保護者は多い。そうした中、インターネットなどを使い、着なくなった服をお下がりとして、多くの人と共有するサービスが人気だ。個人間の売り買いも増えている。エコで家計にも優しい取り組みを上手に利用したい。

 「ブランドものもあって選ぶのが楽しい」と四歳と二歳の息子がいる仙台市宮城野区の女性会社員(31)。スマートフォンで子どもに似合いそうな服を探すのが習慣だ。

 使っているのは、服飾大手「アダストリア」(東京)が運営するサイト「KIDSROBE(キッズローブ)」。着なくなった子ども服を会員から提供してもらい、別の会員に貸し出す。利用料は、月額九百八十円に加え一回四百円の送料。借りられるのは一カ月当たり十着だ。不要になった服を提供すれば、その数に合わせて借りられる数が増える仕組みも。身長八〇〜一二〇センチサイズの服を中心に二万点がそろう。

 女性は一年ほど前に登録して以来、季節や体の成長に合わせて借りている。「以前は毎月数千円分の子ども服を買っていた」と話す。「シーズン終わりのセールで買ったけれど、一年たったら体が大きくなって着られなかったということもなくなった」と喜ぶ。

 独立行政法人「中小企業基盤整備機構」が二〇一〇年にまとめた報告書などによると、国内で廃棄される衣料品は年間約九十四万トンに達し、家庭から排出されるものも多いという。古着店で販売されるなど再利用に回るのは約十二万トン、糸や布など再資源化されるのは十万トンほどで、全体の約七割は焼却されたり埋め立てられたりしている。

 環境保護を目的に、服飾各社は近年、衣料ロスの削減に力を入れる。同社がレンタル事業を始めたのは一八年九月。利用者数は右肩上がりという。事業担当マネジャーの松崎あさこさんは「『次の人のために』ときれいに使ってくれる会員が多く、良い循環が生まれている」と手応えを話す。

 地域ぐるみで子ども服のシェアに取り組む団体も。母親らでつくる一般社団法人「はぐネット」(石川県野々市市)はその一つだ。事業名「CURU∞CURU(クルクル)」には「循環」の願いを込めた。利用者は、法人が運営する子育て支援サイトで気に入った古着を注文。市内の交換所で、持参した古着と引き換える。市内外に出向く出張交換会の際には、親同士の交流イベントも開催。代表理事の高橋美乃里さん(39)は「交換を機に親同士の友達の輪も広げてほしい」と話す。これまで四年間の交換回数は二千回に上る。

 他人と物や時間などを共有するシェアリングサービスに詳しい情報通信総合研究所主任研究員の山本悠介さん(42)は「必要な時期が短い育児関連商品は、共有になじみやすい」と指摘する。個人が不要品をネット上で売買するフリーマーケット(フリマ)アプリが広がり、他人が使った物を再利用することへの抵抗は薄れているようだ。

 フリマアプリ大手のメルカリによると、利用者で最も多いのは三十代の女性。この世代は子育て中の人も多く、売り買いされる子ども服は年々増加。「九〇センチサイズ」「一歳児向け」などとまとめ売りする例が目立つ。「低成長時代に育った今の子育て世代は所有欲が薄く、『もったいない』という意識も強い」と山本さん。使い捨てにせず、後で売ることを見据えて買ったり、最後まで大事に使おうとしたりする考え方が根付きつつあるという。

 かつて子ども服は、きょうだいや親戚、近所同士で譲り合うことが多かった。売買を含め、今は今のやり方で、おしゃれを楽しみ、物を大事にする意識を子どもに伝えられるといい。

 (植木創太)

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