今季2年契約最終年の西武辻発彦監督(61)が来季続投することが3日、濃厚となった。複数の関係者の話を総合すると、球団は就任5年目となる来季も、チームを託す方向で調整している模様。リーグ3連覇を掲げた今季は現在4位に低迷。ロッテに逆転負けを喫したこの日、自力優勝の可能性が消滅したが、昨季まで2年連続リーグVに導いた手腕を高く評価している。続投となれば、球団では08~13年まで6年間チームを率いた渡辺久信監督(現GM)以来の長期政権となる。今後、正式な就任要請を含めて動きだす見込みだ。
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「常勝西武」構築へ、球団が水面下で方向性を示した。辻監督に21年シーズンもチームを託す方向で調整。今後の正式要請をへて、シーズン終了後にも正式に契約を更新する見込みだ。この日、自力優勝の可能性は消滅したが、5年目となる来季に向け、基本軸を固めた模様だ。
就任4年間の実績と手腕が評価された。3年連続Bクラスで迎えた17年に就任し、1年目から2位に躍進。翌年から、2年連続12球団最多得点の打線で、リーグ2連覇を果たした。3連覇を目指した今季は2年連続本塁打王の山川、昨季リーグMVPで首位打者の森の不振に加え、レギュラークラスのけが人が続出したことが影響し、自慢の打線が影を潜めた。レギュラーをほぼ固定したここ2年と比べ、若手を入れ替えながらの試行錯誤が続いた。
今季はコロナ禍で、開幕が大幅に遅れた異例のシーズン。各球団同じ条件とはいえ、監督手腕とは別の外的要因も、チーム、戦力に影響を及ぼした。正式要請に対し、辻監督も受諾に支障はないとみられる。5年目という長期政権は球団の期待と信頼の証しでもある。今後の正式な就任要請を含めフロント、現場が一体となって、盤石の新体制作りに入る。
この日のロッテ戦後、同監督は自力優勝の可能性が消滅したことについて「こっちは全然そんなことを気にしていない。あと全部勝つつもりでいきます。何が起こるか分からない」と奇跡を信じ、残り31試合となったシーズンに集中して戦っていく覚悟を示した。
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