<テニス・イタリア国際>◇14日(日本時間15日)◇男子シングルス1回戦
大坂に負けてはいられない! 世界35位で、日本のエースの錦織圭(30=日清食品)が、復帰2戦目で383日ぶりの勝利を飾った。同44位のラモス(スペイン)に6-4、7-6の2時間4分でストレート勝ち。19年全米2回戦以来の世界ツアー公式戦勝利となった。2回戦では、同17位のバブリンカ(スイス)-同249位のムセッティ(イタリア)の勝者と対戦する。
1年以上ぶりの勝利は生みの苦しみだった。マッチポイントを数えること6本目。5本を逃し続けたが、最後は、錦織のバックがネットイン。ポトリと相手のコートに落ち、あっけない幕切れで、1年以上ぶりの勝利をつかんだ。
「勝った瞬間はうれしかった。ただ、マッチポイントまで時間がかかったので、ちょっとほっとした」。ベンチに戻ったときの錦織の表情が、苦しさを物語った。肩で何度も「ハー、ハー」と息をしながら、顔をしかめた。
先週の復帰第1戦のジェネラリオープン1回戦より、第2セット以降の落ち幅は少なかった。強化しているネットプレーを「ネットに出て、ポイント失ったのを覚えていない」ほど効果的に使い、ピンチを逃れた。先週の復帰戦でダブルフォールト6本を数えたサーブも、格段と改善された。
ただ、第2セットに、3-2から4-2にできるポイントが4本、マッチポイントが5-4で3本、6-5で2本あったが、まだ感覚が戻らないのか、すべてを逃した。「100%の自信を持って打てていない。前かがみでポイントを取る姿勢が出ていない」。それでもタイブレークで突き放した。
全米の大坂の優勝は、ハイライトで見たという。「あれだけ打ち負けないのはすごい。いろんな感情に打ち勝って、また優勝して、メンタル面も強い」。負けてはいられない。27日開幕の全仏に向け、この勝利から前進あるのみだ。
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