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【家族がいてもいなくても】(653)電子申請は人生の関門 - SankeiBiz

 私はすこぶる計算に弱い。

 パソコンも苦手。

 25年以上、使っているのに使いこなせていない。

 そんな私に知人が、「持続化給付金、もらった?」と聞いてきた。「私には無理」と言ったら、あきれられた。

 「簡単よ。入力すればいいんだから。月収入の平均の50%以上減の月が、なんと1カ月でもあれば、もらえるのよ」と。

 新型コロナウイルスの感染拡大で収入が減った個人事業者への給付がある、とは知っている。

 が、計算の意味がよく分からない。さらに電子申請は、私にはハードルが高すぎと、チャレンジする前に挫折していたのだった。

 ところが、調べてみたら対象者に「作家」というのもあった。

 そういえば、最近、銀行の通帳の入金がめっきり減った。

 もともと私の仕事では、入金は、3カ月後とかが多いので、減収がピンと来ていなかったのだ。

 それが、いまごろになってピンチ感がじわじわと…。臨時の仕事は皆無で、雑誌も昔の原稿の転載依頼ばかり。講座の講師などの仕事もすべて中止に。

 それでついに決意した。

 私も頑張ってみよう、と。

 まず、給付の内容の把握から始めたが、私の頭はパニックに。

 なぜ、この計算式で収入減が分かるのかが分からない。が、ま、いいか、でそこを通り過ぎ、次に添付書類の作成に。

 マイナンバーカードとか銀行通帳とか前年度の確定申告B表とか。それらを一つ一つスキャンしてパソコンに取り込むのに一苦労。それでもあきらめず、なんとか中小企業庁のホームページから申請記入へとたどりついたときには、日が暮れていた。

 そのまま、夕食もパスして入力を続けたら、次々エラーが。

 チェック忘れとか、添付資料はPDFか画像にせよとか、やり直しやり直しで、さらに疲れ果ててしまった。

 いったん休憩し、ついビールを飲んだら寝てしまい、不意に「今晩中に、絶対やるんだ」と飛び起きて続行。深夜になんとか終了したが、みんなが簡単という申請に、私は精も根も尽き果てた。

 こんなにも時代についていけない私が現役を続けるって大変。電子申請が基本って、ほぼ高齢者は仕事をやめよ、という感じ。

 それでも、目の前にニンジンをぶら下げられると、人はかくも頑張れるのかとしみじみ思う。

 とは言っても、まだ申請が通るかどうかは、未定だけれど…。

(ノンフィクション作家・久田恵)

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August 14, 2020 at 05:07AM
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