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「心も人生もめちゃくちゃに…」ナンパ塾連続性暴行事件、被害女性の証言(産経新聞) - Yahoo!ニュース

 女性をナンパして飲みに誘い、大量の酒を飲ませて性的暴行を加えた男は、女性の口説き方を有料で教えるナンパ塾の「塾生」だった-。歯科医や公務員、有名企業の社員ら約100人の塾生を擁し、10人以上の逮捕者を出したナンパ塾「リアルナンパアカデミー」(通称・RNA)の連続性暴行事件。今年3月、主犯格の男が実刑判決を受けたが、被害者の一人の20代女性が産経新聞の取材に応じた。「体を傷つけられただけでなく、心も人生もめちゃくちゃにされた」。証言から浮かび上がったのは、卑劣な手口の数々だった。(大竹直樹)

【画像】ナンパ塾「リアルナンパアカデミー」のHP

 ■巧妙な手口

 「飲まされたお酒の量が多く、よく覚えていません。マンションの部屋に連れていかれ、次に気づいたのは午前3時半くらいでした。あまりに気持ち悪くて寝てしまったのです」

 被害女性が初対面の男2人から代わる代わる性的暴行を受けたのは平成29年7月。飲食店で「ダーツやろう」と誘われ、男2人と女性側2人で合コンをすることになった。女性は「これからダーツバーに行くのかと思ったら、マンションだった。抵抗はあったが、マンションまで来て『帰る』と言うのもかわいそうだと思い、部屋に入りました」と振り返る。

 男らに連れられて来たのは、ナンパ塾が東京都内に所有するマンションの一室。通称「ハウス」と呼ばれ、暴行事件の犯行現場となった。こうした部屋は東京のほか、大阪市内にもあったという。

 女性は、男らに分からないように同行の友人と「帰ろう」と連絡を取り合い、帰る機会をうかがっていた。だが帰ろうとすると、男に「帰って何するの?」と執拗(しつよう)に引き留められ、無理やりゲームをさせられたという。女性がゲームで負けると、ウオッカなどアルコール濃度の強い酒を飲ませた。女性はいつしか酩酊(めいてい)状態に陥った。

 「公判で分かったことですが、こういうセリフもRNAのマニュアルに載っていたのです」

 ■分厚いマニュアル

 「ナンパの技術」と銘打たれたこのマニュアルは、初級編(約170ページ)、中級編(約110ページ)、上級編(約70ページ)に分かれ、計約350ページに及ぶ。

 初級編には、選択肢を2つに限定することで、相手を誘導していく「二者択一法」や、相手の主張を認めた上で、自分の主張を通す譲歩逆接構文を応用した「YES・BUT法」などが記されている。

 女性は被害に遭った後、「警察に相手にされなかったらどうすればいいのか」「自分にも落ち度があったのではないか」と悩んだという。だが、「世間の人に事件を知ってほしい。被害者が被害を言いやすい世の中になってほしい」という思いから、警察に相談した。

 捜査の結果、暴行の有力な証拠も見つかり、男らは30年5月、準強制性交容疑で逮捕され、起訴された。逮捕された男の一人は、東京メトロの社員だった。

 《画像や動画や音声などで、強制わいせつや強姦ではなく、和姦であるという証拠を残しておけば、万が一トラブルになっても、証拠があるので正当に対抗できる》

 ナンパ塾の「受講案内」(約35ページ)には、このような記述がある。男らは、こうした動画を「合意があった証拠」として用いようとし、女性に対し「虚偽告訴だ」などと脅したという。女性は「当時の交際相手も弁護士の先生も支えてくれたので戦えました。だから示談する気はありませんでした」と振り返る。

 男らにとっては皮肉なことに、女性に無断で撮影されたこの動画は、酩酊状態の女性が抵抗の著しく困難な「抗拒不能」状態だったことを示す動かぬ証拠となった。男らは後に実刑判決が言い渡された。

 「男について行くやつが悪い」「金目的なのではないか」

 男らが逮捕された直後、インターネット上には、被害者の女性を誹謗中傷する書き込みがみられたという。「もし、あの動画がなかったら犯罪を立証できなかったのではないかと思うと、怖い」。女性はこう語る。

 ■グループチャットで報告

 「女自身が腰を浮かせたところを(動画で)撮ろうというのはあった」「女が笑顔で応じている動画もあるので、相当オープンな女と見受けられる」

 法廷で被害者を「女」や「女A」などと呼び、被害者を侮蔑する発言を繰り返したのが、ナンパ塾の塾長だった渡部泰介被告(44)だ。

 公判では一貫して無罪を主張。反省の姿勢はなく、「塾生のお古(手を出した相手)と何度も会うと塾長のステータスが下がるのでやらない」などと独特の持論を展開し、関係者を唖然(あぜん)とさせた。

 「セックスした数は圧倒的に日本一」。ナンパ塾のホームページでは、こんなうたい文句で約100人の塾生を集めていた。

 事件関係者によると、ナンパ塾の入会費は5万円。いくつものコースに分かれ、スペシャルコースの受講費は29万8千円だったという。塾内で「最強のナンパ師」と自称し、カリスマ的存在だったとされる渡部被告は、多いときで月に300万円も荒稼ぎをしていたとされる。

 「終電があるから」とナンパを断ろうとする女性に、「タクシー代を出すから」と言って引き留める手口も渡部被告自ら“考案”したとされ、塾生に対し実践を推奨していたという。

 塾では隠語が多用されていた。例えば性交することを「即」と呼び、相手から携帯電話の番号を聞き出すことを「番ゲ」といった具合だ。被害者に本名を知られないよう、塾生同士の会話では常にハンドルネームで呼び合い、性交の様子を撮影した動画は、無料通信アプリ「LINE(ライン)」のグループチャットに送信して共有。さらに、(1)ナンパで声掛けした人数(2)連れ出しに成功した人数(3)相手の容姿のレベル(4)性交ができたかどうか-なども、グループチャットで報告することになっていた。

 ■動画に執着

 渡部被告は公判の中で、動画に対し異常なほどの執着心を見せた。事件の被害者が動画の消去を望む中、渡部被告は「無実を立証する可能性があるので、動画を残している」として拒んだ。

 事件関係者は「ゲーム感覚で(性交の)数を稼ぎ、あたかも自分の功績のように隠し撮りした動画をためていた」と指摘する。

 今年3月12日、東京地裁は渡部被告に懲役13年(求刑懲役14年)を言い渡した。家令和典裁判長は「女性の人格を無視した犯行態様は非常に悪質だ。被害者に無断で性交の場面を動画に記録していた」と断じ、性交の動画などが記録されたパソコンとハードディスクの没収も求刑通り命じた。

 没収は刑罰の一種だが、犯罪で使用された物や、犯罪行為に不可欠な要素となっている物など対象は刑法で規定されている。法曹関係者によると、性犯罪で検察がパソコンとハードディスクの没収を求刑するのは異例で、没収を命じた地裁判決は画期的だった。

 渡部被告は判決を不服として東京高裁に控訴している。

 渡部被告や塾生が動画やナンパの状況を投稿していたグループチャットの名前は「終戦記念日」だった。

 女性は「まっとうな戦いがどういうものか。彼らに学んでもらいたい」と語り、こう続けた。

 「RNAが一掃されたら、それが私の終戦記念日です」

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May 07, 2020 at 09:00AM
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